2022年、ゴールデンカムイの連載が終わろうとし、アニメ4期が放映されていた頃。ゴールデンカムイのオープニング映像に感化され、思い付きで北海道まで飛んでしまった。
これは、目が覚めるように清涼な空気が流れる北の大地の鮮烈な思い出の話である。
一本の動画
何気ない日常を送っていた私が、ある日ふとYouTubeを見ていると以下の動画が目に飛び込んできた。
いかがだろうか。白く厳しいにも拘わらず、清涼感溢れる映像に心打たれたことだろう。かくして動画を見終わった時点で、私の胸には「北の大地へ飛ばねばならない」という義務感しかなかった。5分後、私のメールボックスには北海道行きの航空券を予約通知が届いていた。
いざ、北海道へ
幸いにも、私の勤務地は空港まで30分の場所に立地していた。飛び石連休に合わせて休暇を申請し、何食わぬ顔で出勤し、退勤後30分後には空港の保安検査場に立っていた。北海道に「果てしなく遠い場所」というイメージを抱いていたので、ドキドキしながら「行こうと思えば行ける場所なのだな」との実感を噛みしめていた。スーツのまま飛行機に乗り込み、少しまどろんだと感じた次の瞬間、そこは新千歳空港であった。
空港に到着すると、事前に送迎を依頼していた北海道在住の友人が待っていた。「4泊5日で向かうので送迎を頼む」とだけ伝えていたため、11月の北海道にリュック一つ、軽装で現れた私を見て「北海道を舐めすぎだ」と早速お叱りの言葉をいただいた。至極もっともな反応である。幸いにもユニクロのコートが異常なまでの防寒性能を発揮し、私は死なずに済んだが、皆様が北海道に向かう際には、キッチリと防寒対策をすることを強くお勧めしたい。
ネオンが煌めく街、札幌の夜
車で1時間ほど送迎してもらい、私は札幌の地に降り立った。ひとまず有名な場所に連れて行ってくれ、その後夜パフェを食べたい、という私に友人は一言「これがすすきのだ」と言い放った。ネオンが煌めく街、これが大人の世界か!と胸が高鳴る。キャッチに期待するも、誰も声をかけてこなかった。当時の私は知る由もなかったが、「客引き防止条例」が施行されていたらしい。キャッチもないのに自分から店に入れようはずもない。大人を目指す私の目論見は、ここで儚くも崩れ去った。
教科書で見る風景。大人になるには早かった |
兎にも角にも、我々の目的は夜パフェである。途中、アイヌ料理が食いたい、という私の思い付きを一蹴されながら夜パフェを提供する店まで歩く。目に飛び込んできたのは行列であった。行列が長い。長すぎる。札幌を訪れる人間はこれに耐えているのか?ともかく、黙って並んでいるとバーのような場所に通され、パフェが出てきた。
パフェ、珈琲、酒、佐々木 |
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